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失敗しないWeb制作会社の選び方

200万円かけたサイトが使い物にならなかった。そんな失敗を防ぐため、制作会社選びで確認すべき7つの視点を解説。

Web加賀屋代表
2024.12.0518分で読めます
失敗しないWeb制作会社の選び方

「200万円かけて作ったホームページが、まったく使い物にならなかった」

先日、ある製造業の社長からこんな相談を受けました。大手の制作会社に依頼し、立派なサイトが完成したはずでした。しかし公開から半年経っても、問い合わせは月に1件あるかないか。しかも、社内でちょっとした修正をしたいと思っても、制作会社に依頼するたびに数万円の追加費用が発生する。契約を見直そうにも、3年縛りの契約になっていて、途中解約には違約金がかかる。

話を聞いていくと、いくつもの問題点が見えてきました。サイトはスマートフォンで見ると文字が小さすぎて読みづらい。表示に5秒以上かかる。会社の強みや製品の特徴がほとんど伝わらない、見た目だけは綺麗なサイト。そもそもSEO対策がまったくされておらず、会社名で検索しても1ページ目に表示されない状態でした。

このような失敗は、決して珍しいことではありません。Web制作会社の選び方を間違えると、数十万円から数百万円の投資が無駄になるだけでなく、ビジネスチャンスを逃し続けることになります。

この記事では、Web制作会社選びで確認すべき7つの視点と、避けるべき危険信号を詳しく解説します。これから制作会社を探す方も、現在の制作会社に不満がある方も、ぜひ参考にしてください。

ホームページは「第一印象」を決める

まず、なぜWeb制作会社選びがそれほど重要なのかを理解しておきましょう。スタンフォード大学の調査によると、ユーザーの75%がWebサイトのデザインを見て企業の信頼性を判断しています。別の調査では、94%の第一印象がデザインに基づいているというデータもあります。

つまり、初めてあなたの会社を知った人の多くは、ホームページを見てその会社が「信頼できるか」「取引したいか」を判断しているのです。そしてさらに厳しいことに、88%のユーザーは悪いUX体験(使いづらい、表示が遅い、情報が見つからないなど)をしたサイトには二度と戻ってきません。

ホームページの出来は、ビジネスの第一印象そのものです。制作会社選びを間違えると、顧客になり得た人を逃し続けることになります。

一方で、チャンスもあります。調査によると、米国の中小企業の28%がまだWebサイトを持っておらず、23%がSNSだけで代替しているという状況です。日本でも状況は似ています。つまり、今から質の高いホームページを作れば、競合に差をつけられる可能性があるのです。

問題は、どの制作会社に依頼すれば「質の高いホームページ」が作れるのか、ということです。

価格の相場感を持っておく

制作会社を選ぶ前に、まず価格の相場感を持っておくことが重要です。相場を知らないと、高すぎる見積もりをそのまま受け入れてしまったり、逆に安すぎる見積もりの裏にあるリスクに気づけなかったりします。

中小企業向けホームページの一般的な価格帯は、大まかに4つに分類できます。

テンプレート利用タイプは15万円から50万円程度です。これは既存のテンプレートを使い、ロゴや色、テキストを入れ替えて制作する方式です。デザインの自由度は低いですが、短期間・低予算で制作できるメリットがあります。「とりあえずホームページが必要」という段階であれば、十分な選択肢です。

セミオーダータイプは50万円から100万円程度です。トップページはオリジナルでデザインし、下層ページはテンプレートを活用するなど、部分的にオリジナル要素を取り入れた制作です。コストと品質のバランスが取りやすく、多くの中小企業に適した価格帯です。

フルオーダータイプは100万円から300万円程度です。すべてのページをオリジナルで設計・デザインします。競合との差別化を図りたい、ブランドイメージを厳密にコントロールしたいという場合に選ばれます。

大規模サイトは300万円以上です。ECサイト、会員制サイト、多言語対応、大量のコンテンツ管理が必要なサイトなど、複雑な機能や大量のページを持つサイトがこの価格帯になります。

ここで注意すべきなのが、「5万円でホームページ作ります」のような極端に安い価格の制作会社です。

激安制作の裏側にある罠

「初期費用5万円でホームページ制作」「0円でホームページ」といった広告を目にしたことがあるかもしれません。この価格で利益を出すために、何が犠牲にされているかを知っておく必要があります。

まず、このような格安サービスでは、世界中で使い回されている汎用テンプレートがそのまま使われます。デザインの調整は最小限で、他の会社のサイトとほとんど見分けがつかないものになることも珍しくありません。

次に、初期費用は安くても、月額管理費が高額なケースがほとんどです。月額5,000円から15,000円といった費用が発生し、5年間で30万円から90万円になります。さらに、ちょっとした修正でも追加料金が発生します。テキストの修正1箇所で3,000円、画像の差し替えで5,000円といった料金体系も見られます。

SEO対策は基本的にまったく行われません。「ホームページはできたが、誰も見に来ない」という状態になりやすいです。そして最も深刻な問題は、解約時にデータを渡してもらえないケースがあることです。他社に乗り換えたくても、ゼロから作り直しになってしまいます。

トータルコストで見ると、5年間で50万円から100万円かかることも珍しくありません。初期費用50万円で質の高いサイトを作った方が、長期的には安く済むケースが多いのです。

月額制という選択肢のメリットとリスク

最近増えているのが、月額制のWeb制作サービスです。初期費用0円から数万円程度、月額1万円から3万円程度で、サイト制作から運用まで含むモデルです。

月額制のメリットはいくつかあります。初期投資を抑えられるため、キャッシュフローが厳しい創業期でもホームページを持てます。月額費用に運用サポートが含まれているため、更新作業を任せられます。技術の進歩に合わせてサイトを更新してもらえるため、古臭いサイトのまま放置されるリスクが低くなります。

一方でデメリットもあります。5年、10年の長期で見ると、買い切り型よりも総額が高くなる可能性があります。契約期間や解約条件をしっかり確認しておかないと、冒頭で紹介した製造業の社長のように、辞めたくても辞められない状況に陥ります。

月額制サービスを選ぶ場合は、最低契約期間、解約時の違約金、解約時にサイトデータをもらえるか、ドメインは自分名義かどうか、これらを必ず事前に確認してください。

制作会社を見極める7つのチェックポイント

ここからが本題です。良い制作会社を見極めるための7つのチェックポイントを詳しく解説します。

制作会社自身のサイトを厳しく評価する

Web制作のプロフェッショナルを自称する会社の腕前は、その会社自身のサイトに最も正直に表れます。クライアントのサイトは予算や要件の制約がありますが、自社サイトは好きなように作れるからです。

まず、スマートフォンでその制作会社のサイトを開いてみてください。文字は読みやすいですか。ボタンやリンクはタップしやすいサイズですか。横スクロールせずに閲覧できますか。2024年現在、日本のWeb検索の82%はスマートフォンから行われています。スマートフォン対応が不十分な制作会社には、スマートフォン対応の良いサイトは作れません。

次に、表示速度をチェックしてください。サイトを開いてから内容が表示されるまでに3秒以上かかるようであれば、技術力に疑問があります。Google PageSpeed Insights(pagespeed.web.dev)で制作会社のサイトURLを入力すれば、客観的なスコアがわかります。モバイルスコアが50点以下の制作会社は、自社サイトすら最適化できていないことになります。

料金体系が明確に掲載されているかも重要です。「お問い合わせください」としか書いていない会社は、相手を見て価格を変えている可能性があります。概算でもいいので、価格の目安が掲載されている方が信頼できます。

制作実績が具体的に掲載されているかを確認してください。「大手企業多数」「制作実績500件以上」といった抽象的な表現ではなく、実際のサイトURL、業種、制作内容が具体的に掲載されている会社を選びましょう。

最後に、サイトの更新日を確認してください。ブログやお知らせが数年前で止まっている制作会社は、事業が縮小しているか、自社サイトのメンテナンスすらできていない可能性があります。

制作実績を「動いている状態で」確認する

多くの制作会社がポートフォリオとしてスクリーンショットを掲載していますが、これだけでは不十分です。スクリーンショットは「見た目」しかわかりません。実際に動いているサイトにアクセスして確認することが重要です。

まず、実績として掲載されているサイトのURLにアクセスしてください。そのサイトがまだ存在しているかどうかが、最初のチェックポイントです。「この実績、もう存在しないんですけど」という状況は、クライアントとの関係が良くなかったか、サイトの品質に問題があった可能性を示唆しています。

サイトにアクセスできたら、表示速度を確認します。Google PageSpeed Insightsでチェックすれば、モバイルとデスクトップのスコアがわかります。クライアントサイトでも高いスコアを達成できているかどうかは、技術力の良い指標になります。

スマートフォンでの操作性も確認してください。実際にスマートフォンでサイトを触ってみて、メニューは使いやすいか、ボタンは押しやすいか、情報は見つけやすいか、お問い合わせフォームは使いやすいかを体験してみましょう。

お問い合わせフォームが正常に動作するかどうかも確認したいポイントです。ダミーの情報を入力して送信してみてください(実際には送信しないでください)。入力中にエラーが出ないか、入力項目は適切か、といった点がわかります。

全体的な完成度として、「このサイトを見て、この会社に問い合わせたいと思うか」を自問してください。あなたのサイトを見た人も、同じことを考えます。

見積もりの内訳を確認する

「ホームページ制作一式 50万円」のような見積もりには要注意です。何が含まれていて、何が含まれていないのかがわからないと、後から「それは別料金です」と言われるトラブルの原因になります。

見積もりで明確にすべき項目をリストアップしておきましょう。デザイン費は何ページ分を含むのか。トップページと下層ページでデザイン料が違うことが多いので、何ページのデザインを想定しているかを確認します。

コーディング費はデザインをHTML/CSSに変換する作業の費用です。レスポンシブ対応(PC・タブレット・スマートフォン対応)が含まれているかどうかも確認してください。

CMSの設定費について確認します。WordPressなどのCMSを導入する場合、その設定作業の費用です。更新のしやすさに直結するので、CMSの操作研修が含まれているかも確認しましょう。

画像・素材費は要注意です。プロカメラマンによる撮影が必要なのか、ストックフォト(有料素材)を使用するのか、それとも依頼者側で用意するのか。撮影費用は1日5万円から15万円程度かかることがあるので、想定外の費用にならないよう確認しておきましょう。

SEO対策がどこまで含まれるかを確認します。基本的なSEO設定(タイトルタグ、メタディスクリプション、構造化データなど)が含まれているか、キーワード調査やコンテンツ企画まで含まれるのかで、作業範囲が大きく異なります。

公開後の修正対応について、何回まで無料なのか、どの範囲の修正が無料なのか、無料期間はいつまでかを確認します。公開後1ヶ月以内のテキスト修正10箇所まで無料、といった条件が一般的です。

サーバー・ドメイン費用が見積もりに含まれているか、別途かかるかを確認します。制作会社が手配する場合と、依頼者が自分で契約する場合があります。

月額運用費が発生する場合、その内容を確認します。サーバー管理、セキュリティアップデート、簡易な修正対応など、何が含まれているかを明確にしておきましょう。

コミュニケーションの質を事前に見極める

問い合わせへの対応の速さと質は、実際の制作プロジェクトでの対応を予測する良い材料になります。

良い兆候として見るべきなのは、まず24時間以内に返信があることです。翌営業日には返信があるのが望ましいです。次に、質問に対して具体的に回答していること。「詳しくはお会いしてからお話しします」ではなく、できる範囲で質問に答えてくれる姿勢が重要です。

専門用語を使わずに説明してくれるかどうかも見てください。「レスポンシブウェブデザイン」「CMS」「SEO」といった用語を、知らない前提で丁寧に説明してくれる会社は、制作中のコミュニケーションもスムーズです。そして押し売りしないこと。最初の問い合わせの段階で契約を急かす会社は避けた方が無難です。

逆に、悪い兆候としては、返信が3日以上かかること。制作が始まっても同じペースで返信が遅れると、スケジュールが大幅に遅延します。質問をはぐらかすのも問題です。具体的な質問に対して曖昧な回答しか得られない場合、技術力やサービス内容に自信がない可能性があります。

「とにかくお会いしましょう」と強引に対面を求める会社も要注意です。対面でないと説明できないほど複雑なサービスなのか、それとも対面での営業トークに自信があるのか。いずれにしても、メールやオンラインでの説明を避ける姿勢は疑問です。契約を急かす会社は、「今月中に契約いただければ20%オフ」のような限定オファーで決断を迫る会社です。本当に良いサービスなら、そのような営業手法は必要ありません。

契約条件を事前に確認する

後から揉めやすいポイントを、事前に確認しておくことが重要です。

著作権については、デザインの著作権が誰に帰属するかを確認します。制作会社に帰属する場合、将来的に別の制作会社に依頼するときにデザインを引き継げない可能性があります。コードの著作権も同様です。また、契約終了後もサイトを使い続けられるかどうか、解約後にサイトのデザインやコードを変更・利用できるかを確認しましょう。

データの扱いについて、解約時にサイトデータ(画像、テキスト、HTMLファイルなど)をもらえるかを確認します。もらえない場合、乗り換え時にゼロから作り直しになります。サーバー移行が可能かどうか、制作会社が管理しているサーバーから、別のサーバーに移行できるかも確認してください。ドメインが自分名義かどうかは特に重要です。制作会社名義のドメインを使っている場合、契約終了時にドメインを失う可能性があります。ドメインは必ず自社名義で取得してください。

解約条件について、最低契約期間があるかどうかを確認します。1年、2年、3年といった縛りがある場合があります。解約時の違約金がいくらか、月額費用の残り期間分を一括請求されるケースもあります。解約の何日前に通知が必要かも確認しておきましょう。30日前、60日前など、会社によって異なります。

制作プロセスを確認する

プロフェッショナルな制作会社には、確立された制作プロセスがあります。プロセスが明確な会社は、経験豊富で、トラブルを未然に防ぐノウハウを持っている可能性が高いです。

典型的な制作プロセスは次のようなステップで進みます。まずヒアリングと要件定義で、ビジネスの目的、ターゲットユーザー、必要な機能などを整理します。次にサイト構成とワイヤーフレーム提案で、サイトのページ構成と、各ページのレイアウト概要を提案します。デザイン案提出と修正では、ビジュアルデザインを作成し、フィードバックを受けて修正します。コーディングと開発では、デザインをHTML/CSS/JavaScriptで実装し、CMSを設定します。テストと確認で、各種ブラウザ・デバイスでの動作確認、お問い合わせフォームのテストなどを行います。最後に公開と納品で、本番サーバーへの公開と、操作マニュアルの納品をします。

確認すべきポイントは、各フェーズで依頼者が確認・承認する機会があるかどうかです。デザインが完成してから「イメージと違う」と言っても、大幅な修正は追加費用になることがあります。ワイヤーフレームの段階、デザインカンプの段階で確認の機会があることを確認してください。

また、修正は何回まで可能かを確認することも大切です。「デザイン修正2回まで無料」「3回目以降は1回あたり〇〇円」といった条件があるはずです。

複数社から見積もりを取る

最低3社からは見積もりを取ることをお勧めします。1社だけでは相場感がわかりませんし、2社では比較としては不十分です。3社以上から見積もりを取ることで、価格差の理由が見えてきます。同じ要件で見積もりを取っているのに価格が大きく違う場合、その理由を聞いてみてください。安い会社が何を省いているのか、高い会社が何を付加しているのかが明確になります。

提案内容の質も比較できます。単に見積もり金額だけでなく、要件のヒアリングの丁寧さ、提案書の質、アイデアの有無などを比較してください。コミュニケーションの取りやすさにも差が出ます。レスポンスの速さ、説明のわかりやすさ、質問への対応など、実際にやり取りしてみないとわからないことがあります。

価格が最も安い会社を選ぶのではなく、価格と価値のバランスで判断してください。少し高くても、コミュニケーションがスムーズで、提案内容が充実している会社の方が、最終的な満足度は高くなることが多いです。

避けるべき危険信号

最後に、これが見られたら避けた方がいい、という危険信号をまとめておきます。

「今月中に契約で30%オフ」のような限定オファーで契約を急かす会社は避けましょう。冷静な判断をさせないための営業テクニックです。本当に良いサービスなら、慌てて契約させる必要はありません。

「実績は守秘義務で見せられない」と言う会社も要注意です。本当にNDA(秘密保持契約)で見せられない案件もありますが、すべての実績が見せられないというのは、実績がないことを隠している可能性があります。守秘義務のない実績が1つもないというのは不自然です。

「SEO対策で検索1位を保証します」という会社は論外です。Googleの検索順位は、Google自身でさえコントロールできません。アルゴリズムは常に変動しており、特定のキーワードで1位を「保証」することは、技術的に不可能です。そのような約束をする会社は、SEOについて理解していないか、嘘をついているかのどちらかです。

相場の半額以下の価格を提示する会社は、何かを削っていると考えてください。デザインの質、コードの品質、サポートの範囲など、見えないところでコストカットされています。あるいは、後から追加費用が発生する契約になっている可能性もあります。

問い合わせへの連絡が遅い、回答があいまいな会社は、制作が始まってからも同じ対応になります。プロジェクトが進まない、質問に答えてもらえない、というストレスを抱えることになります。

良いパートナーを見つけるために

ホームページは、一度作ったら数年間使い続けるものです。制作会社との関係も、一時的なものではなく、長期的なパートナーシップになります。価格だけでなく、信頼できるか、コミュニケーションがスムーズか、技術力があるか、といった総合的な視点で判断してください。

この記事で解説した7つのチェックポイントと危険信号を参考に、あなたのビジネスに最適な制作会社を見つけてください。そして、少しでも不安があれば、複数の会社に相談することをお勧めします。

私たちも、無料でご相談を承っています。「まず話を聞いてみたい」「見積もりを比較したい」という段階でも構いません。他社の見積もりについてのセカンドオピニオンも歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

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